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お遍路さん減少 外国人の割合は増加 四経連など調査
四国八十八カ所霊場を巡るお遍路さんの数が減少しているとの調査結果を、四国経済連合会と四国の地方銀行4行の調査機関が発表した。全体数は減少しているものの、歩き遍路は堅調で、外国人の占める割合が増加しているという。調査報告書では、お遍路さんの受け入れ態勢強化に向けて、外国人のニーズに合わせた施設整備やサービス向上などを提言した。【郡悠介】
調査は昨夏～今年3月に実施。宿泊施設への聞き取りや札所へのアンケート、関連データの分析を行った。四国遍路の世界遺産登録を目指す動きがある中で、宿泊施設などの受け入れ態勢を分析し、今後のあるべき姿を検討するのが目的で、6月に調査報告書を公表した。
調査によると、二十一番札所・太龍寺（徳島県阿南市）への参拝客が利用する太龍寺ロープウエーの年間輸送人数は、1998～2002年度に平均約13万5000人だったのが、14～18年度に約7万8000人と大幅に減少。またアンケート調査に応じた36札所は、いずれも「巡礼者数がおおむね10年前に比べて減っている」と回答した。報告書では、減少の要因として、個人旅行の増加や人口減少、レジャーの多様化などを挙げている。
一方で、歩き遍路の人数は堅調なようだ。NPO法人「遍路とおもてなしのネットワーク」は四国遍路全てを歩いて巡った人に「遍路大使任命書」を渡しているが、その数は06年以降、2500人前後を維持する。また外国人の数は07年の44人が17年には416人になるなど、上昇傾向にある。世界的な「歩きの巡礼旅」人気が背景にあり、さらなる増加が期待できるという。報告書では、外国人向けの宿泊施設の低料金化や英語表記の増加、キャッシュレス決済への対応といったサービス向上を改善点として提言した。
調査に参加した四銀地域経済研究所（高知市）は「活性化させるための題材として、調査結果を役立ててほしい」と話している。