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<大阪北部地震から1年> 「名前のある地震・活断層」ばかりにとらわれるな

 昨年6月18日午前7時58分、大阪府北部を震源とするマグニチュード(M)6.1の地震が発生し、大阪市北区・高槻市・枚方市・茨木市・箕面市で震度6弱、京都市・亀岡市など18の市区町村で震度5強を観測したほか、近畿地方を中心に関東~九州の一部にかけて震度5弱~1の揺れが記録された。高槻市でブロック塀の倒壊に巻き込まれた9歳の女児が死亡するなど、6人が亡くなったほか、5万棟以上の住宅に被害が出た。

 この地震が起きた周辺には、東西方向に延びる「有馬―高槻断層帯」や南北方向に延びる「生駒断層帯」、「上町断層帯」などがあるが、政府の地震調査委員会はこうした活断層とは直接の関係はないとしている。言い換えれば、「知られている活断層が動かなくても、大きな被害を生じさせる地震は発生する」ということだろう。

 政府の地震調査研究推進本部の評価によると、有馬―高槻断層帯は、神戸市北区の有馬温泉西方から高槻市街地北部に至る長さ約55キロの活断層帯。1度活動して大きな地震を起こしてから次の地震を起こすまでの平均活動間隔は1000~2000年程度で、最新の活動は1596年の慶長伏見地震だったと考えられている。発生し得る地震の規模はM7.5(プラスマイナス0.5)と推定されている。

 生駒断層帯は、生駒山地と大阪平野の境界付近に位置する活断層帯。枚方市から羽曳野市までほぼ南北に延びており、長さは約38キロ。平均活動間隔は3000~6000年で、最新の活動は西暦400年頃~1000年頃だったと推定されている。発生し得る地震の規模はM7.0~7.5程度と推定されている。

 上町断層帯は、大阪平野に位置する長さ約42キロの活断層帯。大阪府豊中市から大阪市を経て岸和田市に至る。平均活動間隔は8000年程度と考えられており、最新の活動は約2万8000年前~9000年前。発生し得る地震の規模はM7.5程度と推定されている。

 これを見ると、上町断層帯は最新の地震発生時期から現在までの経過時間が平均活動間隔に達しており、地震発生の可能性が高いグループに属していることが分かる。ただ、こうした活断層の評価は、地形に大きなずれを生じさせるような活動を対象としているため、大阪府北部地震のようなM6前半クラスの地震の発生を評価するものではないことに注意が必要だ。